瞑想をしているとなぜ眠くなってしまうのか
- 瞑想をすると、とにかく眠くなってしまうのです。。。
- 気がつくとコックリしているのですが、どうしたら良いですか?
という質問を良く受けます。
これは、世界中共通の質問です。
どうしたらいいかという対処方法を考える前に、なぜ眠くなってしまうのかを考えてみましょう。
- さっきまで、眠くなかったのに瞑想をすると急に眠くなってどうしようもないのは、きっと私が瞑想に向いていないからでしょうか?
- 集中力が足りないからでしょうか?
- リラックスするから、普段からの寝不足が表面にあらわれてしまうのでしょうか?
などと、いろいろおっしゃる方がいます。
たしかに寝不足の可能性もあります。
リラックスし始めたり、カラダとココロの内部に入り出すと、寝不足だったということが新たに発見される事があります。
普段、良い意味でも、悪い意味でも、興奮状態・緊張状態で生きている人は、そういうことが可能性としてはあります。
でも、眠くなる大抵の理由は、他にあることが多いのです。
それは、一種の逃げ、自分からの逃げである可能性が高いのです。
自己変化を避けようとしているということです。
瞑想が進んでくると、自分のエゴ(自我)の枠が薄くなってくるのです。
自分がこうである!という枠が少しずつ怪しくなってきます。
エゴはちょうど、卵の殻みたいなもので、殻があるから、自分と認識できるアイデンティティがあるわけです。
このエゴの殻が本当に自分にとって役に立つものであるかどうかは別にして、この殻が壊されるのは、とても怖いものです。
本来ならば自分が変わった方が良いときでも、なかなか自分からはそれに気づいて殻を壊すということはしないわけです。
瞑想をしていると、何もしていないのに、むしろ本当に何もしないからだとは思うのですが、この殻が薄くなってきて、仕舞いには、殻が破れることがしばしばです。
内側からの自己変化です。
これが瞑想の本来の目的の1つでもあります。
一方、とにかく自我の殻が薄くなるようなことは避けなければいけないと思うのが、今の自分です。
そのためには、とにかくなるべく静かに自分を観察するようなことは避けないといけないのです。
避けるためのろんなメカニズムが僕たちのココロやカラダの中に仕組まれています。
なかでも一番平和で誰にも迷惑をかけない方法が眠ってしまうことです。
寝てしまうと、とにかくこれといって対処する必要もなくなります。
そして起きたら、何かスッキリしたということで終わってしまえる。
ある意味、本当の瞑想はしなくて済むわけです。
他にもポピュラー逃げのメカニズムがいくつかあります。
- いろいろ雑念が湧いてくる。
- 感情的になる(急に悲しくなったり、泣いたり、幸せになったりする)。
- やたらカラダが痛くなったり、頭が痛くなったりする。
- 急に、理性的になる。
- 急に忙しくなって、時間がなくなる。
こんなメカニズムが僕たちの内部に備わっています。
子供の頃、嫌なことをしようとすると急に熱が出てきてしまったりしませんでしたか?
家族の中で、なにか大切なことを話そうというとき、急に感情的になったり、急に論理的になったりする傾向のある人はいませんか?
誰にでも、本当のことを避けるメカニズムが備わっています。
自分にはどんなメカニズムがどんな時に働きやすいか、知っていることは大切です。
自分自身のことは、実はなかなか分からないものです。
家族や気になる人の傾向を観察することが、自分を知るヒントにもなります。
瞑想は、いろんな意味で自分を見つめるチャンスを与えてくれます。
そして、それが生活に反映していきます。
終わりのない、このプロセスが面白いところでもあります。
大内雅弘著
「しなやかな心と体をつくる 1分瞑想」より
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